こんばんは、整骨院自費導入アカデミー主宰の松村です。
いきなりですが・・・・・
これ、保険時代のうちの院の診察券です。
保険証の種類の記号が懐かしい(笑)
朝8時30分〜11時30分、昼13時〜16時、夜17時〜20時、そしてなんと最初は水曜の昼、夜、日曜の一日は自費専用の予約を取ってたんですね〜
正直、むちゃくちゃ働いてました。
この時期はまだスタッフもいたんですが、まだみんな学生で(柔整取って鍼灸とか)、朝診と夜診の途中からとかからだったので、ほとんど一人で働いてました。
なんとスタッフのいない昼の3時間だけで30人以上来ることもあり、心身ともにクタクタな時期でした。
なぜこの保険証の写真があるかと言いますと、なんとなんと、保険時代の患者さんが久しぶりに受診してくださったからなんですね。
今回は膵炎での受診。
元々、整骨院では膵炎は治療できないと思いこんでいて、ネットで調べたところ、うちのホームページがヒット。
で、隅から隅まで読んでから来ていただいたので、保険証を出すこともなく、料金のこともスムーズにという具合でした。
で、まあ今回ブログを書こうかなと思ったのは、ちょっと思うところがあったからなんです。
自費だけの院にする、「完全自費移行」を除けば、自費治療の導入って色々な定義があると思うんです。
従来通り、肩こりや慢性腰痛でも、保険を使用して、単価を上げすぎない、そして受診頻度を減らすために、自費料金をプラスするやり方。
そして、当アカデミーのように、明らかな外傷は保険、それ以外は全部自費治療という導入のやり方。
色んな先生が色んな意見を言います。
例えばある柔整師の先生は、厚労省の亜急性の定義だと、肩こりでも慢性腰痛でも捻挫や挫傷と解釈できるとおっしゃってました。
だから、保険+自費でいいんじゃないかと。
要するに、「松村、お前は極端すぎるねん。言いたいことはわかるけど、そうそうシロクロはっきりできるヤツばっかりちゃうねんぞ」ってことですし、そういう風なことも、もっと汚い言葉で言われたこともあります。
そうなると、保険者の「亜急性」に対する解釈は間違いになるので、厚労省は直ちに指導しないといけなくなります。
さてここで、なぜ当アカデミーが
「外傷は保険OK、それ以外はすべて自費」
というやり方を推奨しているのでしょうか?
それは、その方が明らかに経営的に「安全」だからです。
そう、どこからもつつかれない、つつきようのない方法だからです。
今すぐに収益がUPとか、そういう方法ではないんですね。
ではなぜ、「外傷は保険OK、それ以外は自費」という方法が安全なのでしょうか?
そこで色々と検証してみたいと思います。
まず、亜急性の定義が、柔整師が解釈しているものが正しいと仮定してみましょう。
肩こりは亜急性の捻挫や挫傷、すなわち外傷であると言うことができます。
慢性腰痛も、亜急性の捻挫や挫傷、すなわち外傷であると言うことができます。
そうなってくると、柔道整復師法等の法律により、整体屋も、カイロの人も、鍼灸師も、あんまマッサージ指圧師も、誰も肩こりや慢性腰痛を診てはいけなくなります。
PTの場合は、医師の指示の元ならOKということになるわけです。
柔道整復師は業務独占ですから。
鍼灸、あんまマッサージ指圧師の方々がだまっているでしょうか?
ということは、やはり肩こりや慢性腰痛を、外傷だと「判断」して保険適応にするのには、いささか無理があると言わざるをえません。
もちろん、厚労省は亜急性の定義を早くはっきりさせないといけないと思います。
もし明確にする際、私がもし厚労省の役人なら、なるべく面倒なことはしたくありません。
肩こりや慢性腰痛を亜急性の外傷と解釈できると明確にした後のリスクを考えるなら(鍼灸師会、マッサージ師会、そして何より整形外科学会、日医会からの猛抗議や圧力)、社団で一致団結できてない、あちこちにわけのわからない団体が乱立している柔整師を敵に回すだけの方がよっぽど楽です。
慢性疾患等も、都合の良い解釈で保険適応させて、それに自費料金を上乗せする方法は、結局は制度に依存したもので、いわば厚労省が「はい、ダメ〜」って言ったら成立しないスタイルになってしまいます。
経営者として、運命を役所にゆだねるのは相当危険だと思います。
また、最近は傷病部位とかやめて、マルメ料金にするとか、腱鞘炎を適応傷病に追加するように働きかけるという意見や動きもあるようですが、短期的に、今、保険依存院を経営している、ある程度歳食った柔整師が助かるだけで、未来はないと思います。
診断権を持っているのは、医師だけです。
柔整師も鍼灸師も、そして看護師もPTも、誰も診断を下すことはできません。
しかし、現実、柔整師は、足をグキッをくじいて受診された患者さんに
「これは足首の捻挫ですね」
と言って、療養費の請求代行も行う。
すでに診断に近いことをしています。
もちろん、そのあたりに整形外科学会はゴチャ言ってきてますが、歴史を見てモノ言えよと言う意見もあるし、そもそも、ヤブでない開業整形外科医の先生は、きちんとしている柔道整復師に対してもしっかりと対応してくださる。
まあ、結局は患者を取られて腹を立てているのを、頭はなまじ良いだけに屁理屈をこねて自らを正当化させているという見方もできないでもないわけです。
おっと少し話がそれてしまいました。
なぜ、マルメ等は未来がないのか?
はっきりとした外傷の場合、明らかな受傷機転があるわけですね。
理由書きされてる先生はお得意だと思いますが
「自宅で荷物を運んでいて、足を踏み外した際に右足関節をひねり受傷」
などというヤツですね。
本来であれば、この受傷機転は、柔整師に聞いても(施術録を見ても)、患者さんに聞き取り調査や回答書を書いてもらっても、表現の違いはあれど、食い違いはないはずです。
しかし、受傷機転がない場合、というか、なんでもかんでもマルメ料金と言う場合、
「その症状に対して、本当に柔道整復師の施術が必要か否か」
という判断は誰がすんねんという話になってくるわけです。
そこで登場するのはやはり・・・・
医師
ということになります。
そう、もし私が厚労省の役人なら、
「マルメ料金?OK!良いよ〜、そのかわり医師の同意つけてね(^-^)」
って言います。
医療界の王様は医師です。この事実は揺るぎないものです。
その王様の同意がないと施術できないようにすることに、理論的、科学的に反論するための客観的データをつきつけることでもしない限りそれを覆すことは困難だと予想できます。
それを考えると、今まで通り、外傷に対して療養費受領委任払い制度を利用できる状態を保持する方が効率的だと考えられます。
肩こりや腰痛を「亜急性の外傷」と解釈して請求することを合法化させる手間暇や、白か黒かと言った場合、公的に白という解釈になるという確率の低さ、そして、柔道整復師の業務範囲の拡大、要するに法を変えるという手間暇や時間、成功する確率、すべてを検証すると、外傷(明らかに柔道整復師の業務範囲)には保険を使う、それ以外のものには自費で対応するというスタイルが、将来において一番リスクが少ないということが理解できると思います。
長くなってしまいましたね。
次回は
「いや、わかっちゃいるけど」
ということについて書いてみたいと思います。