自費導入・移行のための基礎② 〜中を見直そう〜

こんにちは、整骨院自費導入アカデミー主宰の松村です。

前回の記事、かなりアクセスがありました↓

自費導入・移行のための基礎① 〜外に目を向けよう〜

 

たくさんの人に見られるということは、賛同していただける人もいるけれど反論する人もいて、それらを観察するのもまた面白いです。

ただ、反論の中に

「柔整師の不安を煽って自費をすすめるのはいかがなものか」

的な意見がありましたが、それは間違いです。
私は不安を煽っているわけではなく、事実を出し、それに対して検証しているだけ。
そしてその結果が「明らかな外傷以外は自費でやろうよ」ってことなんです。

田舎なら外傷だけで保険で食っていけるかもしれません。
しかし、都心部では整形外科でさえも全体の数%しか外傷が来ない現代に、すでに柔整師の資格を取り、開業してしまった我々はどうやって生きていけばいいか?

真っ白に経営していくには、「明らかな外傷以外は自費」しかないのです。
そこに対しての反論は一切聞きません。

というか、「柔整師なら外傷!」とかエラそうに言っておきながら、自費を批判する同業に限って、結局本当の外傷以外を「保険+〇〇円」とかでやってたりするんですよね。
文句を言うなら真っ白になってから、がスジってもんです。

それに、私自身がいわゆる「柔整の本業」をやっていないのかというとそうでもないんですよ。
今でも捻挫や肉離れの患者さんはたくさん受診されます。

私が自費に変えた時に、なぜ「整骨院」の看板を外さなかったのかというと外傷を診る、すなわち柔道整復師の本業を手放したくなかったからなんです。
中学生の頃から「将来接骨院の先生になる!」と言ってた私ですから、そうそうカンタンに柔道整復師の魂は捨てられません。

しかし、外傷でもかなりきついのも来ます。
つい先日、人生2回目の骨折に遭遇しました。

なんとCotton骨折の外転型。開業してからは初でした。
皆様の想像通り、事故です。
自転車と自転車の事故でしたが、相手は逃亡してしまったとのこと。

「父が足を捻挫して歩けないのでお願いします」というコメントとともにネット予約が入っていたのですが、実際に足を見た瞬間、久々にゾワッとしました。(患者さんは息子さんに背負われて受診されました)

自宅がうちの町内であること、息子さん夫婦が付き添われていることから、本人だけでなく息子さん夫婦にも明らかに骨折していること、そして転移が顕著だったため実際の足を目の前にしてその説明をし、徒手整復が不可能であることを説明させていただき、近隣の整形外科を紹介させていただきました。

結局そこでも治療は無理で、その整形外科からの紹介で総合病院でopeとなりましたが、後日感謝のお手紙までいただきました。

ちゃんと地域医療の一端を担わせていただいております。
自費にしたからって、単なる整体屋やってるわけじゃないんですよ。
なんも知らん人間がヤイヤイ言うなYO!

 

さて長くなってしまいましたがここから本題です。

前回のブログでは、外に目を向けてみようね〜って内容でした。

今回は、中を見つめ直そうねってことです。

 

INDEX

治療を見直す

「完全に自費に移行する」
「外傷以外を自費にする」

これらをいざやろうと思っても、なかなかできないのが現状だと思います。
だから、治療ではないダイエットや美容メニューを導入して誤魔化してみたり、物販や機械に逃げたりしがちなんだと思います。
あなたが苦労して、時間とお金を費やして身につけた技術は、そんなにも安もんなんですかね?
効くか効かんかわからんサプリ、結局高額サプリを売りつけるダイエット、セミナー行けばすぐにできる美容モノ。
こんなもんより、あなたの治療は安もんなんですか?

今まで自分がどれだけ頑張ってきたのか、見つめ直してみましょうよ。
決して数百円しかいただけないような、そんなものじゃないはずです。
自費にするのは悪徳でもなんでもないです。
いや、税金の無駄使いを減らし、よりよいものを本当に必要としている人に提供するという点で、まさに三方良しなのが自費です。
保険にしがみついている人ほど「自費=悪」という論調になることがありますが、私からすると未だに肩こりや腰痛を捻挫や挫傷に置き換えて請求しているほうがよほど「悪」だと思います。
もう一度、自分が今までどんな想いで勉強、練習してきたか、修業時代にどんな辛い目にあってきて、そしてそれを乗り越えてきたかと思い出してみてください。治療で勝負したくなるはずです。

 

お金を見直す

一人で院をやっている、パートで受付さんだけ雇用しているけど基本的に治療は一人でするというスタイルの先生ほど、数字を見ない傾向にあるように思います。

しかし、どんな形であれ自営でやっているのなら、それはもう一端の経営者なわけですからある程度数字を把握しておいたほうがいいです。

だからと言って、B/SやP/Lなどと言った会計の専門的な部分まで勉強しなくてもいいと思いますし、それだと実際よりも紙の中だけはお金が残ってることになっていることもあり、現状把握がしにくいのでお勧めしません。
(会社として社員をたくさん雇用し、仕入れなどもある場合はちゃんとしないといけませんが)

また、先述したように

「完全に自費に移行する」
「外傷以外を自費にする」

これらをいざやろうと思っても、なかなかできないという状況があります。
なぜできないかというと、怖いからというのが本音ではないでしょうか。

ではなぜ怖いかというと、極論

「収入がゼロになったらどうしよう」

という不安が怖さになってしまっているのではないかと思います。
まあ、ゼロは言い過ぎでも、生活できないレベルにまで売上が落ちてしまうことへの恐怖があるのでしょう。

そこで、事業においての損益分岐点ではなく生活における損益分岐点をまず出してみましょう。

 

①出ていくお金を書き出す

テナントの家賃や光熱費、通信費、具材の仕入れなどの院の経費はもちろん、食費や自宅の家賃(もしくは住宅ローンの返済)、光熱費、通信費、学費、子供の習い事の月謝、自分の小遣いをも書き出しましょう。

 

②出費を減らす

さて、生きていく上で月々出ていくお金を科目毎に書き出したら次はどの科目をどう削減するかを考えましょう。
その際、優先的に削減するべきなのは「固定費」です。
固定費という用語がわからない人のために簡単に言うと、「毎月決まって出ていくお金」です。
テナントの家賃や人件費は固定費ですね。
生活費の中なら、例えば生命保険料なんかもそうです。

で、保険ドップリの先生ほど、口座にお金が振り込まれて、その口座から引き落とされるもんだから、高い金額一括、例えば100万とかは支払うのをビビるくせに、リースやローンなどで数百万だとすぐに契約しちゃいがち。
経営としては、絶対に固定費を下げるほうがいいんです。

経営だと、まずは人件費。
人件費って本当に辛いもの。
正直、院にとって大して役に立ってない人を、ズルズルと雇用し続けている場合はすぐに切りましょう。
解雇予告手当を支払りゃいいんですから。
どうしても雇用しておきたい人がいたら、その人の給料分頑張る覚悟を決めましょう。

食費もべらぼうに高いのは問題です。
こちら↓
http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gk03.pdf

総務省統計局のデータです。
平均の食費が掲載されていますので、参考にされるといいでしょう。
平均が必ず良いというわけではありませんが、平均よりかなり上回っている場合は贅沢しすぎです。
自費に変えてやるんだったら、まずそこからしっかり見直してみる必要があります。

また、ファイナンシャルプランナーにお願いして保険の見直しをする、電気やガスも安くなるプランを調べるなど、月々決まって出ていくものから、1円でも少なくなるように考えましょう。

たまに行く外食の費用などを削減しすぎると、ひもじい気持ちになってしまいます。
まずは固定費から順に削減するようにしましょう。

こうやって、コストカットをした後の院の経費と生活費の合計金額が、あなたが生きていく上での損益分岐点となります。

 

無収入でも生きていける期間を出す

さて、生きていく上での損益分岐点を出したら、次は割り算です。

 

【手持ちの現金】÷【生きていく上での損益分岐点】

 

をしてください。

その答えが

 

あなたが無収入でも生きていられる期間

 

となります。

 

え?
手持ちの現金がない?

別に私は「貯金」なんて一言も書いておりません。
そういう時のために金融機関があるんです。

例えば、500万用意できて、生きるために損益分岐点が50万だとしたら10ヶ月生活できます。

で、今保険で普通に経営できている先生なら、来月から保険を辞めても2、3ヶ月は保険の療養費は振り込まれますよね?

ということは、実際は計算によって出した「生きていられる期間」+2、3ヶ月は例え収入がゼロでもやっていけるということになります。
場合によっては1年くらいは大丈夫ということなんです。

 

 

あとは頑張れ

なんか身も蓋もない言い方になりましたが、よく言われるのが「1年持つのはわかったけど、その後どうすんの?」という愚かな質問と書いてまさに愚問を言ってくる先生がおられます。

1年という期間、しっかり目標を設定して行動計画を立てて実践し、その結果を踏まえて計画を修正し…ということを続けていけば、必ず結果は出ます。

何も、1人院で月商300万とか500万という数字を出せというわけではありません。
まずは、自費の売上で生きていくための損益分岐点を超えることが第一の目標となります。

そのために、広告をする、サイトを作る、ブログを書く、と様々な手段を使って自費患者を集めることをすればいいわけです。

別に胡散臭いコンサルの「〇ヶ月で月商〇〇〇万円!」なんて数字を出さなくてもいいんです。
まず生き残ること、それが最優先です。

あなたが苦労して身につけたものを必要としている人は、必ず存在します。
保険であるがゆえに、「自分に必要だ」と思ってもらえないんです。
勇気を出して、最初の一歩を踏み出してください。

アカデミーでは、頑張り方をお伝えしております。
アカデミーに入会したから成功する、というものではありません。
裏を返せば、アカデミーに入会せずとも、遠回りしたとしても自費化は成功できると思います。

アカデミーは、ただ自分の院が自費になれば良いというだけでなく、自分の院を真っ白な経営に変えていくことで、この柔整業界をクリーンにしていくというミッションを追求するチームなのです。

 

 

投稿者: 正隆松村