外傷を診る柔道整復師のための泥湿布の作り方

 

こんばんは、整骨院自費成功アカデミー主宰の松村です。

 

「おい、自費やのに外傷ってなんやねん!」

 

もしかしたらそう思われたかもしれません。
申し訳ありません、自費にできなくてお悩みの先生にはクソの役にも立たない内容となりますので興味のある先生だけお読みいただければと思います。

 

INDEX

泥湿布の作り方を紹介しようと思った理由

数年前、多分5、6年以上前に私の院のブログで泥湿布を紹介する記事を書きました。
そのせいおかげで、全国の柔道整復師の先生から

 

「泥湿布、どうやって作るんですか?」
「泥湿布の材料を教えてください!」

 

というメール、コメント、電話を本当にたくさんいただくようになりました。

 

別に私のオリジナルではなく、私自身も修業時代に教えていただいた事ですし、私の出身校である「明治東洋医学院専門学校」でも実技の時間に教えていただいたことですので、作り方や材料や仕入れ先などをお伝えすることに関しては全然問題ありません。

 

ただ・・・

ほとんどの先生は礼節もお守りになるのでいいのですが、なかには無礼千万な先生がいるんですよね。

 

治療中にいきなり電話をかけてきて、名前も名乗らずに、タメ口で

 

「シップの作り方教えてほしいねん」

 

とか。

うちの場合は受付スタッフが電話に出ることがほとんどですが、こちらが患者さんを治療中でも

 

「時間かからへんから、ちょっと呼んで」

 

みたいなのもいます。
何考えてんでしょうかね。

そんなんやからいつまでも肩こり腰痛も保険でやってんねん。
そう思いますね。
こういう輩は自費にしないほうがいいです。
絶対失敗するので。
そういう輩の院は早く違法請求で監査入らないかな、ホント。

 

まあそういう害虫避けの意味もありますが、私自身忙しくしておりますので、メールにしてもコメントしても電話にしても、かなりの数になってきて、なかなか全部に個別に対応できないため、泥湿布の作り方を公開しちゃおうと思って今回書かせていただくことに致しました。

全国の外傷をしっかり診る、ちゃんとした柔道整復師の先生方に少しでも役立てば私も嬉しい限りです。

 

仕入れ先と材料

・仕入れ先

仕入れ先は「増田薬品」という会社です。
購入するには会員登録が必要です。

別に私の紹介とか言わなくても登録できます。
ちなみに私の紹介と言っても何の特典もありません。笑

ただ、どうせなら「松村先生、いつも紹介ありがとうございます!」って増田薬品さんから言われたい!

そういう浅ましい欲望を私は持っています。笑
ただで作り方教えるんですから、せめて増田薬品さんに電話する際は「兵庫県西宮市のまつむら鍼灸整骨院さんのブログに書いてるのを読んで」と言ってください。

ただし、無礼な人は辞めてください。
と言っても、無礼な人は自分のことを無礼な人だと思ってないから難しいんですよね〜

とりあえず、無礼な人のために書きますが・・・

 

【相手が年下でも知らない人とお話するときは敬語使いましょう!】

 

これで無礼度は少し下がりますので、増田薬品さんの電話対応の方に不快な思いをさせないようにだけは気をつけましょうね。

 

「こっちは買う側やからなんでもええやろ!」

 

そういう考えの人は〇んでしまえ
そういう考えの人に私の名前を使って欲しくないので、この記事読んでムカついた先生は別に私の紹介と言わずとも登録できるので、あたかも自分だけの力で探し当てたかのように振る舞っていただければ助かります。

 

・仕入れる材料

仕入れる材料ですが、メインは4つだけです。
一応、おまけの2つも紹介させていただきますが。。。

①ボルグレイ

火山灰からできた泥だそうです。
凄く水を含みます。
これのおかげで冷却効果があります。
ボルグレイがない場合や、粉末からコネるのが面倒な先生は「ハルシン」というシップの基剤が売っています。そちらでも問題はないかと思いますが、水分を含むという点ではボルグレイのほうが自然なので、冷却効果は高く肌に優しいでしょう。

※増田薬品さんのサイトに載っていない場合でも、電話で受注していただける場合があります。
そのあたり私はわかりませんので増田薬品さんに直接電話してください。

 

②オオバク末 or クロ末

炎症を抑える漢方です。
漢方っぽいニオイがします。
オオバク末は黄色、クロ末は黒色です。

 

③油紙

泥湿布のベースになります。

 

④和紙、もしくはガーゼ、もしくは巻軸包帯

使い方は後述しますが、こちらも必須になります。

 

※カンフル精

消炎剤ですが、入れすぎると必ずかぶれます。
また、薬機法(旧薬事法)的に入れていいのかどうかわからなかったため、作成当初は入れていましたが現在は入れておりません。

 

※サリチル酸メチル

こちらも消炎剤ですが、同じく入れすぎると必ずかぶれます。
こちらも同様に薬機法(旧薬事法)的に入れていいのかどうかわからなかったため、作成当初は入れていましたが現在は入れておりません。

 

 

実際の作り方

①容器にボルグレイとオオバク末(クロ末)を入れる

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ちょっと見えにくいですが、容器の下のほうに入っているのがボルグレイ、上の黄色い粉末がオオバク末です。

水との比率や分量は・・・・

わかりません。笑
何度も作っては試し、作っては試し・・・をして、ちょうどいい配合を手でコネるときの感触で覚えてしまったので、ご覧の方も材料費はそれほど高くありませんので、何度も試作して手で覚えてください。

そのほうが忘れませんよ。

 

②容器に水を少しずつ入れてコネる

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これは小麦粉を水に溶くのと同じ要領です。
水をたくさん入れるとダマになってしまいますので、くれぐれもご注意くださいね。

 

③ひたすらコネる!

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正直、しんどいです。笑
時間もかかります。

しかし、それを耐え忍び、コネ続けると、急にスムーズになるポイントがあります。

私はこれを「コネコネの向こう側」と呼んでおります。

コネコネの向こう側に行くまでしっかりコネてください。

 

④コネコネからヌリヌリへ

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まずは上の写真のように油紙と和紙(写真は巻軸包帯)を用意します。

次に、下の写真のように、油紙に和紙(写真は巻軸包帯)をひき、その上にコネコネした泥を塗っていきます。

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こんな感じでできあがってきました。

 

⑤仕上げ

あとは、端を折り、紙バンでとめて、ラップをする、もしくは真空パックをするだけです。

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↑こんな感じになります。

後は冷蔵庫に保管です。真空パックにする理由ですが、大量に作った場合、ラップだとカビる場合があるからです。

一ヶ月位は大丈夫だったと思いますが、一度気合いを入れて大量に作って最後の10枚ほどカビてしまい、せっかくの力作を廃棄しなければならないという悲しい出来事がありました。

ですので、数枚はラップ、残りは真空パックとしています。

 

 

実際の使い方

・基本は包帯固定

まさかもうギックリ腰をアイシングしている時代遅れの先生はいないと思いますので、実際に使用する部位は、足関節や膝関節、手関節、肘関節、肩関節や下腿部、大腿部、前腕部、上腕部が多いと思います。

肩関節以外は基本的に「巻軸包帯+弾性包帯」での固定となります。
泥湿布自体が固定具材的な役割にもなりますので、固定力も上がります。

足関節捻挫の場合は、最近はすぐにギプスやキャスト材での固定ってのが流行っています。
特に前距腓靱帯、踵腓靱帯に圧痛があるという、いわゆる臨床分類のⅡ度と判断される場合に使用することも多く、実際整形外科でもその方法を取ることが多いのですが、我々柔道整復師は、いや、柔道整復師だからこそ、なるべく生活に密着した形での固定を目指すほうが柔道整復師っぽいと私は考えています。

またこの「圧痛」というのも結構曖昧で、「痛いか痛くないか」って神経の伝導みたいに「全か無か」じゃないんですから、圧する強さでも変わってくると思うんですよね。
そのあたりでも、Ⅱ度の中でも現場レベルではまだ細かく分類できます。

まあこのあたりは柔道整復師としての考え方次第ではあるのですが、私は、3段階の分類の場合にはどうしても真ん中の第Ⅱ度がどんな分類でもⅠ度に近いⅡ度とⅢ度に近いⅡ度になってしまうので、そのあたりを判別して固定や治療をやっていくことで、更に効果的になるのではと思うところもあるのです。

ですので私は、「Ⅱ度だから最初の1、2週はギプス(キャスト)固定」と教科書的対応せずに、かつ固定力はそれなりにあるようにし、患者さんでも着脱可能で皮膚トラブルをなるべく起こさないということを心がけながら固定法を選択するようにしています。

また、見た目は原始的ですが、厚紙副子も使います。
これ、よく「見た目が悪いと患者さんの信頼度が!」みたいなことを言う人もいますが、先に信頼してただけるように接していれば、患者さんは固定法はなんでもいいんです。

ですので私の場合は、いくつかの固定法を提案し、それら固定法のメリットデメリットを説明しながら患者さんにも選択していただけるようにしています。

その情報の中に

「こちらは見た目もいいです」「こちらは見た目が悪いです」というビジュアル面のことも説明しますが、「いや、見た目はどうでもいいよ」と言われることがほとんどでした。
むしろ、利便性と効果をどう天秤にかけるかというところに患者さんのニーズがありました。

肩関節の場合のみ包帯だと体幹部に包帯を巻きつけることになるため、粘着シートを活用します。五十肩の炎症期は、泥湿布と提肘、そして就寝時のポジション指導だけで夜眠れない、もしくは夜中に目が覚めるほどの痛みを訴える患者さんのほとんどが即寝です。

あ、五十肩の炎症期は患部を触るのはダメですよ。
また安静第一です。超基本なのでまさか知らない先生はいないと思いますが。

 

※衣服の汚れに注意

問題は、泥の成分がどうしてもにじんでくることによる衣服の汚れです。
ただ、汚れても洗えばすぐに落ちるのですが、まあ汚れないにこしたことはありません。

(表)包帯
(中)サランラップ
(中)泥湿布
(下)皮膚

という感じで、泥湿布と包帯の間にサランラップを入れることで汚れなくなります。
ただ、通気性ゼロなので、私は包帯を少し分厚く巻いています。

念のため・・・

という感じで、患者さんにも汚れがつくことに注意するようにお伝えしております。

 

・患者さん自身での使用方法

例えば私の院で泥湿布を使用して固定したとします。
帰宅し、お風呂に入る場合は固定と泥湿布を取っていただき、泥湿布の水分が減っていたら霧吹きで水をかけていただき、ラップをしてお風呂の間は冷蔵庫に入れてもらいます。

その後、弾性包帯のみで泥湿布を患部に当てていただき、就寝していただくように、包帯の簡単な巻き方から指導しております。

凍傷を起こしたり、発赤が起こるほどの温度で冷やすわけではないため、こうすることでかなり早く腫れがひきます。

腫れがひくと痛みもかなり軽減するため、患者さんのQOLもすぐに向上していくのでとても喜ばれます。

 

 

まとめ

全国の、外傷と戦う柔道整復師の先生が、少しでも良いツールを手に入れていただければ嬉しい限りです。ちなみに、泥湿布って、昔の先生はみな使っておられたとか。

なんでも最新がいいわけではなくて、古き良き時代のものを残していくことも重要ですよね。

特に我々の業界は、他業種から色んなことが入ってきたり、大手コンサル会社がエラそうに「古いものがなんだかすべてダメ」みたいな感じのマーケティングをされていますが、こういうツールだもそうですし、子弟制度でも職人を育むためには昔の方が絶対によかったわけですから。

あ、あと残念ながら包帯が巻けない先生は泥湿布を効果的に使用するのは非常に難しいです。
なんせ全く粘着力がないですので。

それに、ホワイトテープの固定力はテープを巻いて30分ほどがピークと言われていますが、巻軸包帯は上手に巻けば固定力の低下はあまり起こりません。

まあ何にせよ、捻挫の固定でホワイトは使わないほうがいいです。

せっかく外傷の専門家である「柔道整復師」になったわけですから、売上管理の勉強ばかりせず、今からでも遅くないので勉強と技術研鑽に励んでみてはいかがでしょうか?

投稿者: 正隆松村

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