資格に誇りと自信を。

こんにちは、整骨院自費導入アカデミー主宰の松村です。

 

さていきなりですが、柔道整復師法について。

今回の記事について必要な部分だけ抜粋してみました。

 

第一章 総則

(定義)
第二条  この法律において「柔道整復師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、柔道整復を業とする者をいう。

第四章 業務
(業務の禁止)
第十五条  医師である場合を除き、柔道整復師でなければ、業として柔道整復を行なつてはならない。

 

 

もちろん、罰則もあります。

 

第二十九条  次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一  第十五条の規定に違反した者

 

ついでにあはき法も見てみましょう。

 

第一条  医師以外の者で、あん摩、マツサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マツサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許(以下免許という。)を受けなければならない。

 

こちらもちゃんと罰則があります。

 

第十三条の七  次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一  第一条の規定に違反して、あん摩、マツサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業とした者

 

ということで、無資格の人間は柔道整復、あはきを業としてはいけないというのは、国が法律で定めているわけです。

これを

 

「業務独占」

 

と言います。

 

では、参考までに理学療法士及び作業療法士法も見てみましょう。

 

第一章 総則

(この法律の目的)
第一条  この法律は、理学療法士及び作業療法士の資格を定めるとともに、その業務が、適正に運用されるように規律し、もつて医療の普及及び向上に寄与することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律で「理学療法」とは、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マツサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。

2  この法律で「作業療法」とは、身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせることをいう。

3  この法律で「理学療法士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、理学療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、理学療法を行なうことを業とする者をいう。

4  この法律で「作業療法士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、作業療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、作業療法を行なうことを業とする者をいう。

 

もちろん業務の規定もあります。

 

第四章 業務等

(業務)
第十五条  理学療法士又は作業療法士は、保健師助産師看護師法 (昭和二十三年法律第二百三号)第三十一条第一項 及び第三十二条 の規定にかかわらず、診療の補助として理学療法又は作業療法を行なうことを業とすることができる。
2  理学療法士が、病院若しくは診療所において、又は医師の具体的な指示を受けて、理学療法として行なうマツサージについては、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律 (昭和二十二年法律第二百十七号)第一条 の規定は、適用しない。
3  前二項の規定は、第七条第一項の規定により理学療法士又は作業療法士の名称の使用の停止を命ぜられている者については、適用しない。

 

柔道整復師法、あはき法にないのがコレ↓

(名称の使用制限)
第十七条  理学療法士でない者は、理学療法士という名称又は機能療法士その他理学療法士にまぎらわしい名称を使用してはならない。
2  作業療法士でない者は、作業療法士という名称又は職能療法士その他作業療法士にまぎらわしい名称を使用してはならない。

 

もちろん罰則もあります。

 

第六章 罰則
第二十二条  次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一  第七条第一項の規定により理学療法士又は作業療法士の名称の使用の停止を命ぜられた者で、当該停止を命ぜられた期間中に、理学療法士又は作業療法士の名称を使用したもの
二  第十七条の規定に違反した者

 

理学療法、作業療法というのは、看護師の業務範囲の中の一部の業務だということにビックリ。
理学療法、作業療法は柔整、あはきとは違い業務独占はないわけです。

しかし、

 

「名称独占」

 

があるわけです。

 

 

柔道整復を業としていいのは、医師以外は柔道整復師だけ、あんまマッサージ指圧、はり、きゅうを業としていいのは医師以外はあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師だけということです。

私の知り合いの歯科医師は、鍼灸治療も導入したいということで、ちゃんと専門学校に行って鍼灸師免許を取得されています。

 

しかし、我々柔道整復師は「脳卒中後のリハビリします」と「リハビリ」や「理学療法」という名前を使用してはいけません。これらの名称を使用できるのは理学療法士、作業療法士だけなんです。

ただ、リハビリ自体「医師の指示」が前提になってくるので、最近理学療法士の方の整体院開業が増えていますが理学療法士が整体院を開業したからといって、医師の指示なしで「うちでリハビリできま〜す!」ということはできないわけです。

まあこのあたり、法律を変えて理学療法士、作業療法士の独立を認めて、病院のリハビリをアウトソーシングして病院から紹介状があればリハビリ分の保険点数を理学療法士や作業療法士が請求できるようにすれば(もちろん色々制約を定めて)良いところに紹介が増え、ダメなところは淘汰されるようになるので良いと思うのですが。

まあ理学療法、作業療法の件は本題ではないのでこのあたりにしておきましょう。

 

 

鍼灸はいいです。

人の身体に鍼を打つわけだし、あっつ〜〜いお灸をするわけですから。

でも、柔道整復の業の定義がいまひとつ周知されていないから困りものなんです。

 

そもそも、免許、資格という定義は何なんでしょうか?

 

「本来、法律で禁止されていることを、国が『やっていいよ』と許可を与えるものなんやで」

 

と、私が車の免許を取りに教習所に行ってた時に学科の講師の方がおっしゃっていました。

実際、そうですね。

 

ということは、私のことが嫌いだろうがなんだろうが、柔道整復師免許を持っていない人は柔道整復を業としてはいけないのです。

これは法律なんです。

そしてそして、柔道整復業とは「骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷」の施術。

療養費がその名目でしか請求できないという点で、国がそれを定めているも同じです。

 

そして「業」とは何かというと、単に金銭のやりとりがあるだけでなく反復継続の意思があるかどうかも関係するとすでに判例に出ているとのこと。

 

無資格者が、捻挫などを応急処置することは構いませんが、その応急処置に対して金銭を要求したり、「これひどいから明日も診せてね」なんて言うとアウトだということなんです。

 

では、逆に整体系はどうでしょう?

 

整体の国家資格は存在しませんので、もちろん誰が業としてもOKです。

 

もちろん、我々柔道整復師が整体を業としても、理学療法士が整体を業としても、そして何の免許も持っていない人間が業としてもいいのです。

 

今の若い学生のことは知りませんが、私を含めた、私よりも上の世代の柔道整復師の先生って、免許取得までに結構苦労してます。

私の場合、「鍼灸に入らないと柔整にはいけない」と言われ、鍼灸の免許を取得後に柔整を取得しました。
遺体解剖の実習も経験できました。(今はダメになったのでしょうかね?あれむっちゃ勉強になるのに)

兄弟子には「解剖学が基礎やから、人の身体見るだけで骨や筋肉を立体でイメージできるようになるまで勉強しろ」と言われ、朝から仕事、昼から学校、そして夜仕事してから手技の練習、日付が変わることに帰宅して晩ご飯を食べながら解剖の本を読むということをやってきました。

もちろん仕事自体も非常に厳しいですし、給料も激安でした。

 

6年も学校に行って、散々勉強しました。
解剖学や生理学はもちろん、整形外科学や内科学、外科学まであります。

関係法規のような直接、臨床に結びつかない科目もありました。

みんな金がないから、教科書は兄弟子のお下がりとか知り合いのお下がり。
私も鍼灸から柔整に行った際は、柔整から鍼灸に行った学生と教科書をそのままブツブツ交換しました。
(だからロッカーに鍵かけてないと間違いなく教科書を盗まれていました)

 

修業時代は、学校の勉強をしながらもマッサージ、カイロ、操体法、トリガーポイントの勉強や練習をさせられました。(20年ほど前ってちょうどこれらが流行っていたんですかね?)

 

平均して1日に40〜50人の患者さんを触らせていただけたわけですので、身体はとても疲れますしストレスもハンパないですが若い頃にこの経験を積めたのは本当によかったと思います。

料理でも、年取ってからグルメきどっても味はあまりわからないらしくて、若い頃に美味いものを食べておかないといけないらしいですしね。

 

また、この業界に入ってから今まで、色々な治療の勉強会に参加させていただきました。
せっかくなので思い出せる範囲でピックアップしていきます。

・カイロ系
・トリガーポイント系
・〇〇整体(むちゃくちゃ医療事故が多い系のやつです 笑)
・操体法
・AKA
・キネシオテーピング(指導員の資格まで取りました。訳あってもう更新してませんけど)
・筋スラッキング療法
・スパイラルテープ
・〇〇医学(この手技をやってる先生のご厚意で教えていただいたので名前は伏せておきます)
・ストレッチ系
・東洋医学系

ざっとこんな感じでしょうか。
「〜〜系」と書いてあるのは、それ系統のセミナーとか受けすぎて種類とか忘れてしまったのでひとまとめにしてしまいました。

 

私が治療系セミナーをしない理由は、私自身がまだ未熟だからということと、人から教わった技術の集合体でしかないから、セミナーした時点で「パクり」になるからなんです。

 

無資格の整体屋さんの中にも、素晴らしい方はたくさんおられます。
それは重々わかっております。

でもでも、整体を教える協会みたいなところは会員数を増やさないと商売にならないし、なるべく敷居を下げておきたいから、「半年で開業できる」というキャッチコピーで整体屋を増殖させてるのも事実。

 

半年で、骨・筋、脈管、内臓、動物生理、植物生理、病理学、一般臨床学、内科学、外科学、整形外科学、それから実技の基礎、症例別の臨床実技を全部やるんでしょうかね?

柔整師が3年かけて学ぶことを半年でできますかね?
私のように鍼灸も持っていたら、6年の経験と柔整、鍼灸両方の知識を半年で学べるんですかね?

レッドフラッグとかちゃんとわかってやってんですかね?

 

学費が・・・・
やりたい技術じゃない・・・・

色々な理由はあれど、私の同期にはカイロプラクターで開業するには医療の資格が欲しいということで鍼灸師になった先生や、整体の勉強をしていたけど、もっと詳しく知りたいし開業するなら資格がないと、ということで柔整に入った先生などがいました。

みんなお金なくて苦労してはりましたよ。

だからそんなのは言い訳にしかなりません。

 

その点、ちゃんとしているカイロ系のところは凄いですね。
資格こそないですけど、結構時間かけてしっかり基礎から教えるところもあるようです。

 

まだ、「外傷以外は全部自費」にする勇気のない柔道整復師の先生。

あなたが取得した資格は、短期間で取得できるものですか?
あなたが取得した資格は、カルチャースクール感覚でその辺のオバハンが数ヶ月で取得できるようなものですか?
あなたが取得した資格は、療養費請求の代理人をするためだけのものですか?

自分が医療人であることに誇りと自覚を持ち、我々レベルでないと救えない患者さんを救ってあげましょうよ。

開業する前、セミナーにいくと

「あ、おたく柔整師?保険でもむだけやろ」

と、よ〜〜〜く無資格の方に言われました。
殴ってやろうかと思いましたね。

開業してからも、

「おたくらが保険で安くやるから俺ら迷惑かかってんねん」

などと嫌味を言われました。

まあ、その通りなんですけどね。

あまりにムカつくから、「じゃああなたも資格取れば?うちの院で修業しますか?」

と言ってしまいましたが。

結構、そういう経験した柔道整復師の先生って多いんじゃないかと思います。

私自身も、未だに資格に限定のないセミナーに行くときは気を使って免許の話題は触れないようにします。
嫌味言われたくないですし、今言われたらガチギレしそうなんで。

「外傷やってるけどアカンのか!」とメッセージをもらったことがあります、無資格の人から。
関係法規の勉強もしてないからできる荒技です(笑)
その時も柔道整復師法のリンクまで提示してたんですけどね。

国家資格者の先生方にムダに気を使って欲しくないですし、いやな思いをして欲しくない。

だから私のセミナーは、国家資格所有者限定なんです。

 

みんな苦労して免許取って、免許取得後も治療家として、医療人として技術、知識の研鑽に励んでいます。
コスプレしてる院、モミモミばかりしている院、そんなのほうが本当は少数やねん!

 

柔道整復師だけでなく、あはき、PT、OTなどすべての国家資格者の方に自信を誇りを。

 

 

※本文にも書いておりますが、無資格の方にも非常に素晴らしい、尊敬できる方は存在します。
しかし、法的にダメなことはダメであり、尊敬できる方はそれを遵守されていることが多いです。
業務独占に関しては、私の見解ではなく国の見解ですのでそのことに対しての一切の反論は受けつけません。

 

投稿者: 正隆松村

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